プロ野球選手が点滅するサングラスをかけてボールを捕る練習をする様子がテレビで紹介され、「あのメガネは何?」というお問い合わせをいただくことが増えました。あれがストロボグラスです。
この記事では、ストロボグラスの仕組みと、どんな力に働きかけると考えられているのか、そして実際の使い方と注意点を解説します。
仕組み:見える情報を「減らす」
ストロボグラスは、レンズが一定の間隔で暗くなったり透明になったりを繰り返すメガネです。かけていると、視界がコマ送りのように断片的に見えます。
通常のトレーニングが「情報を増やす」方向であるのに対し、ストロボグラスは「情報を減らす」ことで負荷をかけます。見える瞬間が限られるため、その瞬間に得た情報からボールの軌道や相手の動きを予測し、判断する必要があります。
どんな力に働きかけるのか
- 限られた情報で判断する力:見えない間の動きを補って予測する
- 視覚への注意:見える瞬間を逃さないよう、対象に注意を向け続ける
- 周辺への意識:中心の情報が減ることで、周囲の状況にも意識が向きやすくなる
外したときに「ボールがゆっくり見える」と感じる人がいます。これは、制限された状態で情報を処理することに慣れた後、通常の視界が相対的に余裕のあるものに感じられるためと考えられています。アスリートを対象とした視覚トレーニングの研究を統合した分析では、判断を伴う反応時間と競技パフォーマンスの改善が報告されています(エビデンス)。なお、効果の現れ方には個人差があり、特定の効果を保証するものではありません。
モードの違い
REAXIONのSTROBE GLASSには、使い方に応じた複数のモードがあります。
| モード | 内容 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 両目遮断 | 両方のレンズを同時に遮断 | 基本のトレーニング。キャッチボールや打撃 |
| 片目遮断 | 片方のレンズだけを遮断 | 利き目でない側の目を意識的に使う |
| ヘッドアップ | 視界の上部を遮断 | 顔を上げて前を見る習慣づけ(ドリブルなど) |
| ミックス | 遮断を組み合わせる | 負荷を上げた応用トレーニング |
遮断の間隔やモードは専用アプリで設定します。最初は見える時間を長めにし、慣れてきたら短くしていきます。
競技別の使い方
- 野球・ソフトボール:トスバッティング、キャッチボール。ボールの軌道を予測する力を使う
- サッカー・バスケットボール:パス交換、ドリブル。ヘッドアップモードで顔を上げる習慣づけ
- バレーボール・テニス・卓球:レシーブ、ラリー。速いボールへの予測と反応
- 格闘技:ミット打ち、ディフェンス練習。相手の動きの予測
光るデバイスと組み合わせ、ストロボグラスをかけた状態で光ったデバイスに反応する課題も可能です。制限された視界で周辺の変化に気づく練習になり、反応時間が記録されます。
安全に使うための注意点
- 最初は安全な環境で:視界が制限されるため、障害物のない場所で、止まった状態の課題から始めます
- 短時間から:1回数分。目の疲れや違和感があればすぐに外します
- 症状のある方は使用しない:光の点滅に敏感な方、光過敏性のある方、てんかんの既往のある方は使用しないでください。不安がある場合は医師にご相談ください
- 運転や日常生活では使わない:トレーニング専用です
- 子どもは大人の見守りのもとで:負荷の調整と安全確保を大人が行います
まとめ
ストロボグラスは、見える情報を減らすことで、限られた情報から予測・判断する力に働きかけるビジョントレーニング器具です。モードと間隔を調整しながら、競技の動作に組み込んで使います。安全に配慮し、短時間から始めてください。
製品の詳細はSTROBE GLASSをご覧ください。関連記事:動体視力の鍛え方/ビジョントレーニングとは
