「身体を使う活動に消極的な子が多い」「継続して取り組める内容を探している」「保護者への説明が主観的になりがち」。放課後等デイサービスや療育の現場で伺う課題です。
この記事では、光る機器への反応を使った認知運動あそびを、現場にどう導入し、子どもごとにどう調整するかを解説します。
認知運動あそびとは
光った場所にタッチする、色を見て触るかどうかを決める、順番を覚えて触る。「見る・注意する・判断する・動く」を遊びの形で行う活動です。REAXIONではこの流れを認知運動(Cognitive Motor)と呼んでいます。
発達支援の現場で取り入れやすい理由は3つあります。
- ルールが「光ったらタッチ」だけ:言葉の説明がほとんど要らず、その場で始められる
- 勝ち負けが目立ちにくい:自分のペースで取り組め、他の子と比べられにくい
- 記録が残る:反応時間や回数が数字で残り、主観に頼らず経過を示せる
導入の進め方
ステップ1:負担の少ない基礎課題から
最初は、座位または立位でデバイス2〜3個、「光ったらタッチ」だけの単純反応課題から始めます。時間は30秒〜1分。できたことを確認し、「今日は8回触れたね」と数字で伝えます。
ステップ2:個別で難易度を調整
子どもの様子に合わせて、次の3つの要素を調整します。
| 調整する要素 | やさしく | 難しく |
|---|---|---|
| デバイスの数・配置 | 2〜3個を手の届く範囲に | 4〜6個を離して配置、移動を伴う |
| 提示の間隔 | ゆっくり(次が光るまで余裕がある) | 速く(連続して光る) |
| ルール | 光ったら触る | 赤だけ触る/順番を覚える/触らない色を加える |
「集中できない」「動きがぎこちない」と見える場面でも、つまずいているところは子どもによって異なります。対象を見つけるのに時間がかかるのか、必要な情報に注意を向けにくいのか、どう動くか決めるのに迷っているのか。記録を見ると、どこで時間がかかっているかの手がかりになります。
ステップ3:集団活動へ
順番に取り組む形式にすると、待っている間も他の子の様子を見る時間になります。ある放課後等デイサービスでは「順番を待つ間も他の子の様子を見ていて、活動全体が前向きになった」という声がありました。チーム合計で回数を競う形にすると、個人の勝ち負けが目立ちません。
記録を活かす
REAXION CLOUDには、課題設定と反応時間・正答・誤答が記録されます。活用場面は3つです。
- 支援者間の共有:担当が変わっても、前回の課題設定と結果を引き継げます
- 保護者への説明:「集中が続くようになった」という主観だけでなく、記録として示せます。作業療法士からは「変化を具体的に共有できている」という声があります
- 活動計画の見直し:伸びている課題、変化の少ない課題を見て、次の設定を考えます
評価にしないための注意点
記録が残ることには利点がある一方、扱いを誤ると子どもや保護者を傷つけます。次の点に注意してください。
- 判定・診断に使わない:数値は発達の状態や特性を判定するものではありません。医学的な判断は専門機関の役割です
- 他の子と比較しない:比べる相手は前回のその子自身です
- 「できなかった」で終わらせない:難易度を下げて「できた」で終える設計にします
- 本人の気持ちを優先する:嫌がる日は無理に行いません。遊びとして成立していることが前提です
現場の声
小学校の教員からは「体育に前向きでなかった児童が、光を追いかける課題には自分から参加していた。勝ち負けが目立ちにくいのが良いようだ」、保護者からは「運動が苦手で誘っても嫌がっていた子が、これは遊びだと思って続けている。数字が伸びると本人がいちばん喜んでいる」という声をいただいています。
まとめ
認知運動あそびは、説明が要らず、勝ち負けが目立たず、記録が残る活動です。基礎課題から始めて個別に難易度を調整し、集団活動へ広げ、記録を支援者間と保護者との共有に活かす。この流れができると、身体を使う活動に消極的だった子どもにも、続けられる時間をつくれます。
教育・発達支援分野での活用方法はREAXION EDUCATION、実機での体験は体験デモからご確認いただけます。関連記事:子どもの集中力を運動で育てる/「運動神経がいい」の正体
※ REAXIONは医学的な診断・治療を目的とした製品ではありません。発達障害の診断や改善を行うものではなく、測定結果が診断の根拠となるものでもありません。
