ネットの向こうでアタッカーが助走に入る。その腕の振りと手の形からコースを読み、打たれたボールに視線を切り替えて、身体を入れる。バレーボールのレシーブは、「相手を見る」と「ボールを見る」を一瞬で切り替える作業です。
この記事では、バレーボールで求められる「見る力」を局面ごとに整理し、練習メニューと測定で見るポイントを解説します。
局面ごとに求められる「見る力」
| 局面 | 使われる力 | 具体的には |
|---|---|---|
| サーブレシーブ | 動体視力、予測 | トスとヒットの瞬間からサーブの種類(ジャンプ・フローター)とコースを読む |
| ディグ(スパイクレシーブ) | 視線の切り替え、反応速度 | アタッカーの助走・手の形→ボールへ視線を移し、コースに入る |
| ブロック | 判断、周辺視野 | セッターのトスとアタッカーの動きを同時に見て、どこに飛ぶかを決める |
| セッター | 周辺視野、注意の配分 | ボールを見ながら相手のブロック位置を把握し、トスの行き先を選ぶ |
| アタッカー | 空間認知、判断 | ブロックの手とコートの空きを見て、打つコースを決める |
どの局面も、見る・注意する・判断する・動くの流れで成り立っています。バレーボールはラリーが短い間隔で続くため、この流れを短時間で何度も繰り返す必要があります。
練習メニュー
1. 光った方向へのディグ一歩
レシーブの構えから、左右・前後に置いたデバイスの光った方向へ動いてタッチ。スパイクのコースに入る最初の一歩の再現で、方向ごとの反応差が見えます。
2. ストロボグラス+レシーブ
ストロボグラスをかけてスパイクやサーブをレシーブ。断片的な視界からボールの軌道を予測する練習です。速いボールへの予測と反応に働きかけます(ストロボグラストレーニングとは)。
3. ブロック判断:赤なら跳ぶ、青なら跳ばない
ネット際にデバイスを配置し、赤ならその位置でブロックジャンプ、青なら跳ばずに次を待つ。フェイントに釣られない抑制と、跳ぶ位置の判断を同時に鍛える選択反応の課題です。
4. セッター向け:ボールを見たまま周辺に反応
トスの動作中に、周辺に置いたデバイスの光った方向へトスを上げる。ボールを見ながら相手ブロックを把握する周辺視野の課題です(周辺視野を広げるトレーニング)。
5. リアクションボールでのディグ
不規則にバウンドするボールを低い姿勢で拾う。ブロックに当たって不規則に落ちてくるボールへの対応に近い練習です(リアクションボールの練習メニュー)。
測定で見るポイント
- 方向ごとの反応差:左右・前後で反応が遅い方向は、レシーブの苦手コースと重なることがあります
- 誤反応の割合:ブロック判断の課題で青に跳んでしまう回数は、フェイントに釣られる傾向と重なることがあります
- 連続課題での低下:短い間隔で連続して反応する課題で、後半に反応が落ちる度合いを見ます。長いラリーでの集中の手がかりになります
- ポジション別の比較:リベロ・セッター・アタッカーで求められる指標が違うため、同じポジション内での比較が有効です
まとめ
バレーボールのビジョントレーニングは、相手とボールの間で視線を切り替える速さと、ブロックに飛ぶかどうかといった判断の正確さを鍛えるものです。光った方向への一歩、色で判断するブロック、方向ごとの反応差の測定。既存の練習に判断を足すところから始めてください。
他の競技:バスケットボール/野球。関連記事:動体視力の鍛え方。器具はREAXIONシリーズとSTROBE GLASSをご覧ください。
